最近話題になったニュースをご存じでしょうか。
静岡市のコンビニにバールを持った男が強盗に入ったが、剣道初段の店員を恐れて逃げたというニュースです。ニュースの詳しい内容はニュースサイトで見ていただくとして、今回は剣道初段の実力について紹介したいと思います。
剣道
剣道とは元々日本の剣術を競技化したもの。昔から町の道場や学校の部活、警察官等の必須武道であるなどと、老若男女を問わず幅広い年代に親しまれています。昨今では剣道をテーマとした漫画作品なども増えていることから親しみやすさは増しているのではないでしょうか。
ちなみに2011年で剣道有段者の数はなんと約162万人だそうです。これだけでもたくさんの人が剣道をしているのがわかりますね。級位の人を含めると一体どれだけの人になってしまうか想像もつきません。
剣道の段級位制
かつて江戸時代では剣術の各流派によって師から弟子へ切紙、目録、免許等の伝位が与えられていましたが、明治維新後警視庁が創立され組織的な剣術稽古が行われると、各流派の伝位は比較対照の目安にならず、共通基準による格付けが必要になりました。明治時代に警視庁が級位制を採用、大正時代に大日本武徳会が柔道を参考に段位制を採用し、段級位制にまとめられ、同会解散後は全日本剣道連盟が制度を継承しています。その時々の社会情勢や、柔道の段位制とのかかわりにおいて変遷を重ねました。
級位は数字の多い方から少ない方へ昇級するのに対して、段位は数字の少ない方から多い方へ昇段します。段位が高くなるほど合格率は低くなり、また、段位のほかに指導力や人格などを表す錬士、教士、範士の称号があり、高段者に授与されます。
級位は市町村剣道連盟が、初段から五段までは都道府県剣道連盟が、六段以上は全日本剣道連盟が審査をします。三段、四段審査に関しては、高等学校剣道専門部や大学連盟で、一般の審査会から独立して行われることもあります。年間の審査会開催回数は段位ごとに異なりますが、六段が8回程度(うち1回は外国人対象)、七段が6回程度、八段が4回程度です。東京、京都など主要都市で開かれます。
初段になるためには?
剣道において初段になるためには時間がかかる。小学生から始めたとしても二級になるには最低でも小学6年生である必要があるからです。初段から先はもっと長く、最低でも31年もかかってしまううえ、46歳以上という条件があります。最上位の称号である「範士」になろうと思えば71歳以上という条件が。なんとも長い道のりです。全日本剣道連盟では級位は三級からと決められていて、昇級するための条件がこちら。
一級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から9まで」
二級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から6まで」
三級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から4まで」
剣道基本技稽古法の公開演武動画がコチラ
昇段の条件がこちら。
初段は、剣道の基本を修習し、技倆良なる者
二段は、剣道の基本を修得し、技倆良好なる者
三段は、剣道の基本を修錬し、技倆優なる者
四段は、剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者
五段は、剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者
六段は、剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
七段は、剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者
文字で見ても難しいですが実践するとなるとさらに難しそうですね…。
剣道有段者って実際強いの?
剣道の有段者と聞くとなんだかとても強いような気がしますが、経験者によれば「段位の高さ=強い」ではないそうです。もちろん、試合であれば強いのでしょう。ですが、実のところ段位が高い人ほどきれいな剣道をされるそう。今回のニュースでも、実際に木刀を振っているわけではないので本当のところはよくわかりませんね。日常生活の中で危険に遭遇したときに動けるかどうかは日々の積み重ねによりそうです。